働く意味を考えてみた
『なんで働かないといけないの?』
小学5年生の子供に、そんな質問をされた時、あなたならどのように答えるでしょうか?
先日、個人的に受けているキャリア形成のセミナーの中で、こんなテーマのグループワークがありました。各5人グループの中でそれぞれ話し合い、グループなりの答えをまとめるのです。
私の属するグループでは、まず、それぞれ個人の思いや考えを話し、グループとしての意見をまとめていくことにしました。
たった5人のグループですが、みんなそれぞれの思いがあり、ご自分のお子さんに語りかけるようにお話されたり、お子さんをお持ちでない方も、毎日通勤途中で会う子どもたちを想像しながらお話されたり・・・それぞれの立場や年齢、今までの経験や今置かれている状況などによって答えは様々です。
また、一人一人語った答えに対しても、みんな黙って聞いている・・・なんてことはく・・・(笑)
畳み掛けるように『いやぁ〜、働くってことはなぁ〜、俺らの時代はこう教えられたもんや!』とか『お金のために働く・・・なんて言ったら専業主婦のお母さんは働いてないじゃんって言われたらどうすんの?』などなど・・・とご意見は様々。
今度は私が意見を述べる番になり、私も私なりの答えをお話している中、ふっとある思い出が蘇りました。
私の子供といえば、上の子は既に成人、下の子は今年12月に成人を迎えます。
なんで働かないといけないの・・・こんな質問をされるような時代はもうとっくの昔々で、遠い思い出になっていたのですが(笑)
上の子が幼稚園の頃、私たち夫婦はベーカリーショップを営んでおりました。
定休日は平日の火曜日。
土日祝は基本的にお休みすることはなく、子供たちのお休みとは合いません。
でも、子供たちと過ごす時間も大切だと思っていたので、せめて小学校に入るまでは・・・と、定休日の火曜日は幼稚園をお休みさせるなど、一緒に過ごす時間を作るようにしていました。
そんなある時、幼稚園の園長先生から『いつまで火曜日をお休みさせるんですか?親が子供に合わせず、土日を定休日にしないのは親の勝手。親の勝手で振り回される子供たちが可哀想だと思わないの?!』と言われたんです。
商売柄、土日はお客様も多く、毎週土日の朝は子供さん連れのお父さんが沢山のパンやサンドイッチを買いに来られます。
『お母さん、これ大好きやねん!お父さん、これ買って帰ろう!』
『お母さん、これ高いからいつも買ってくれへんねん!お父さんこれも買って~!』
そんな会話を聞きながら『いつもは忙しいお母さんも、今日はゆっくりしてはるんかな~・・・あ~、売上云々じゃなく、私たちも多少は世の中の役に立ってるのかなぁ・・・』なんて感じておりました。
また、子供会・町内会などの自治会や、特定の会合からの注文も多くありました。
ボーリング大会や演奏会の昼食用に、日帰りバスツアーの朝食用になど、時には500個ものサンドイッチの注文をいただくこともありました。
注文いただいたパンやサンドイッチをご要望の場所まで配達した際、必ず言ってくださる言葉がありました。
『ありかとう~。ほんと助かった!無理言ったけどありがとう~』
そんな時も『あ~、役に立てて良かった~』と、心から感じたものです。
もちろん、幼稚園の先生の言うように、自営業ならば売上は度外視して、子どもたちのお休みに合わせて定休日を設定することは可能です。
でも、土日や国民の休日にお仕事されている方は世の中たくさんいます。
そんな人たちがお仕事されてることで助かってることはいっぱいあるのになぁ・・・
無くなったら困るのになぁ~・・・
この先生は休みの土日に電車に乗ったり、デパートへ買い物行ったり、土曜日に歯医者さんへ行ったりしないのかなぁ・・・
なんて思いながら、結局、下の子も含めて4年間、卒園まで嫌味を言われ続け・・・でも相変わらず定休日はお休みさせ続けました(笑)
なんで働かないといけないの?
今、働くってことを扱う職業に就いている身として、改めて深く、働くことの意味を考えることが出来た一日でした。