モラルレベル2で世界平和
飽きるほど毎日降り続く雨…空梅雨なんて言葉が久しく聞こえるこの頃、皆さまにはお変わりなくお過ごしのことかと思います。
さて、先日、ふと数年前(いや、数十年前?)に何かの講演会で、講師の方に問いかけられた質問を思い出しました。
『なぜ、人殺しをしてはいけないのか?』
『なぜ、人殺しをしてはいけいないの?とお子さんに聞かれたら、あなたは何と答えますか?』
私は、考えるまでもなくこう思いました。
『誰かが亡くなれば悲しむ人がいるやん、だからあかんやん』
人の命はその人を取り巻く人々のもの。だから身も心も傷つけてはならない、と私は常々考えており、また、子どもたちにもそう教えてきたからです。
でも、講師の方の答えは意外なものでした。
『法律で人殺しを禁止しているから』
意外な答えにちょっと驚いたと同時に、なるほど…と感じました。
かつて日本でも当たり前のように、人の命を奪っても罰せられる訳でもなく、それどころか人を殺めることによって『英雄』と讃えられた時代もありました。
殺めた方は英雄…けれど殺された側の遺族は悲嘆に暮れたことは想像に難くありません。きっと計り知れないほどの多くの人々が悲しんだことでしょう。
でも、そんな時代の日本では、人を殺めたことに対する法整備がなされていませんでした。
人を殺めることに限らず、現在では考えられないほどの数々の悪事が図られていたのだと思います。その悪事を悪事だというそもそもの概念がなかったのです。
人々の幸せは法の上に成り立っているのだと、痛感することが多々あります。
個々それぞれの価値観、概念が多様化する現代において、モラル、というものもまた、場合によっては法の上に成り立っても良いものではないかと感じます。
『なぜ、人殺しをしてはいけないのか』
『法律で人殺しを禁止しているから』
うん、やっぱりこの答えに至極ごもっとも、と感じるこの頃です。
※モラルレベル:モラルのレベルには1~4があるとされている。モラルレベル2はその2段階目であり『法で禁止されているからしない』というような概念。ちなみに、モラルレベル4は仙人レベルとされている。