多様性って何ぞや
花冷えの日が続くこの頃ですが、皆さま健やかにお過ごしでしょうか。
さて、最近、多様性について改めて考えさせられることがありました。
生物学的性→男性・性自認→女性の方のお話を聞く機会があって、その中で、生物学的性→男性であるにも関わらず、女性の身なりをしていることについて、好奇の目にさらされたり、白い目で見られた経験があることをお話されていて、でもご自身としては『何も悪いことしている訳じゃない』し『したいことをしているだけ』だと・・・で、最後には『私は誰にも迷惑かけていない』んだと主張されていて。
んで、考えました。
『何も悪いことしている訳じゃない』し『したいことをしているだけ』・・・うん、これは全くその通りなんだと思います。誰がどんな性自認を持っていても、誰のせいでもないですし、それぞれ思うように生きれば良いんだと思います。
でも『誰にも迷惑かけていない』・・・これについてはどうなんだろうって。
私は生物学的性と性自認は完全一致しているシスジェンダーですし、特に目立ったところのない平凡な人間だと思いますが、でも、胸を張って『私は誰にも迷惑かけていない！』なんて、言えないなぁ・・・とも思いますし、またそんなこと言う機会もないなぁって。
人間、人と関わって生きていれば、周りに迷惑かけっぱなしだと思いますし、恐らく私が感じている以上に周りの人達は私に気を遣ってくれているんだろうなぁ、と感じていますし、なので周りの人達には毎日毎日、感謝しながら生きています。
だから『誰にも迷惑かけてない！』なんて、絶対に声高には言えないなぁ・・・って。
それに私は女性ですが、周りの男性には男性に対してなりの、女性には女性に対してなりの気遣いや対応をするように心がけていますし、同じ様に、トランスジェンダーの方にはトランスジェンダーに対してなりの気遣いや対応を心がけています。
だから誰にも迷惑かけてない！なんてこと胸を張って言っちゃうのは、貴方を取り巻く人達はがっかりするんじゃないんだろうか・・・って。
一昔に比べて、多くの場面で多様性が進んだ世の中ですが、多様性を認めるってことは、何も、相手の全てを迎合することでも容認することでもなく、単に『あ、貴方はそれなのね。で、私はこれなのね。』的な、ある意味、いい意味で相手に無関心な姿勢であることも必要なんじゃないのかと思います。
件のトランスジェンダー女性も、周りのシスジェンダーの人達のそんな気持ちを汲み取れることができれば、もっと自分自身が生きやすくなるんじゃないのかなぁ、と感じながら、仕事帰りに寄ったカフェで、手を叩きながら大声で談笑されている団体客のおばさま達を横目に『うるっせぇなぁー』と心で叫んでいる私もまだまだやなぁ・・・と反省したのでした。
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