芸術の秋ですね、見たいもの、ありますか?
先日、久しぶりに東京へ行ってきました。お目当ては「芸術祭十月大歌舞伎」、中村勘三郎さんの七回忌追善公演です。もう亡くなられて7年も経つのですね…。私は興味があれば何でも見るタイプの芸術・芸能好きで、歌舞伎もそんな好きの一つです。
学生時代、アルバイト先の飲食店に、南座でのお芝居を終えて来店された役者さんが、とても素敵な方だったのがきっかけで見るようになりました。私は、その方が後の片岡仁左衛門さん(当時は孝夫さん)だとは知らずにお話をさせて頂いて、後になってびっくりしたという思い出があります。以来私の「推し」はニザ様です(笑)。
実は、去年も十月の歌舞伎には行きたいなぁと言いながらも、結局仕事の忙しさにかまけて行けませんでした。しかし当たり前ですが、役者さんも年々御歳を召されますし、それこそ勘三郎さんのお芝居は見たくても、もう見ることはできないんですよね。
まだまだ多くのお芝居を見せて下さる方だと、こちらが勝手に思っていても、そうならないことと言うのはあるものです。見たいものは見たい時に!と思い直して、今年は必ず行こうと決めていました。
ピント調整機能のしっかりしたオペラグラスを購入、演目に所縁のある柄の手ぬぐいを新調したり、同じく演目に所縁のあるお弁当を手配したりと、開演前から目一杯お芝居を楽しむ準備をして行った歌舞伎座夜の部。勘九郎さんが本当にお父様に似てこられたなあとしみじみしたり、七之助さんの美しい花魁姿に溜息をついたり、仁左衛門さん玉三郎さんに見惚れたり、要所にちりばめられるアドリブに、笑ったり泣いたりと大忙しでした。たっぷり満足!余韻に浸りつつ、帰りは近くのお店で、初めて関東風のおでんも楽しんで宿に戻りました。
11月には、長らく休館していた京都の南座が、改修工事を終えて新開場されます。これを記念して今年の顔見世は2ヵ月連続の興行となります。見たいものは見たい時に、見られる機会は逃さずに!と言う訳で、南座の顔見世には母を誘って行きたいなと思っているところです。